プロパー融資は、銀行などの金融機関から融資を受ける際の方法の1つです。よく、「プロパー融資は審査が厳しい」と言われるのですが、それは一体なぜなのでしょうか?
そこで今回は、「プロパー融資の特徴」から「プロパー融資のメリットとデメリット」に至るまで広く解説していきます。
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プロパー融資の概要
まずは、プロパー融資がどのようなものかについて説明します。プロパー融資は、「顧客と銀行が直接融資取引を行うこと」を意味する総称です。
プロパー(proper)には、「本来の」という意味があります。プロパー社員というと会社と直接雇用契約がある正社員を指し、アパレルなどでプロパー価格というと正規の価格・定価という意味を持ちますよね。
それと同様に、銀行が直接融資を行うことは本来の融資の形に近いことから「プロパー融資」と呼ばれているのです。
プロパー融資のメリットとは?
プロパー融資に申し込むメリットとして、以下の4つがあります。
限度額が決められていない
銀行は総量規制の対象外ですが、保証制度を利用する場合は融資の上限金額が設けられています。
また、ノンバンク系の機関から借入をするときも、上限額があるケースがほとんどです。
しかし銀行と直接契約をするプロパー融資であれば、その上限がないため多くの事業資金が必要となるときも、審査に通りさえすれば会社に必要な金額を借りられます。
融資実行までが早い
プロパー融資は銀行との直接契約のため、保証協会を介する必要はありません。
そのため、1つの機関で審査を行うことになり、保証協会付の融資などに比べて融資実行までのスピードが速くなります。
取引実績になる
銀行からプロパー融資を受けたこと自体が実績となるため、きちんと計画通り返済していれば会社の実績になります。
次に融資が必要になったときもプロパー融資が受けられる可能性も高いですし、他の金融機関や企業と取引をするときも有利に働きます。
また、プロパー融資を受けて滞りなく返済をすることで、信用情報の向上も期待できます。
保証料不要
信用保証協会を付けて融資を受ける場合は、融資額とは別に保証協会に支払う保証料が必要です。そして、保証料は会社や融資額によって異なりますが、数万円~数十万円とまとまった金額の支払いが生じます。
さらに、信用保証料は一般的にまとめて一括で払うことがほとんどのため、何かと入用な融資の前後に出費が増えてしまいます。
こういった支払いを抑えられることも、プロパー融資のメリットと言えるでしょう。
プロパー融資を利用するデメリット
プロパー融資にはメリットがたくさんあることが分かりましたが、デメリットについても知りましょう。
審査基準が厳しいこともある
銀行にとって融資は大事な業務の一環ですが、それゆえに貸し倒れリスクを恐れています。
そのため融資全般は審査が厳しい水準で行われているのですが、プロパー融資は特に厳しく審査がされます。
そのため業績が芳しくない会社や創業後間もない会社の場合は、プロパー融資を利用するのは難しいでしょう。
逆に業績が良く、3期以上決算を終えている安定した企業であれば、プロパー融資獲得の可能性も高まります。
返済期間
プロパー融資は他の融資制度と比較すると、返済期間が短く設定されることが多い特徴があります。
これは、長期間の貸し出しで会社の業績が変わる前に回収して、できるだけ損失を出さないことが目的です。
返済期間が短いということは毎月の返済額も必然的に高くなるので、金利が低くても返済額自体が負担になることもあるでしょう。
プロパー融資を受けるためにはどんな対策を取ればいい?
プロパー融資は、実績や取引がない会社がいきなり獲得するのはかなり難しいです。
提出書類を見直す、税理士など専門家に相談するという方法もありますが、それだけでは銀行の格付けを上げるのは難しいかもしれません。
ただし、重要な方法ではあるので上記の対策を並行して行いつつ、「まずはその銀行との取引実績を作る」という方向にシフトチェンジしても良いかもしれません。はじめは信用保証協会付きの融資から始めて、順調に返済をしていけば実績がついて格付けも良くなる可能性があります。
まとめ:プロパー融資とは?その特徴からメリット・デメリットまで解説!
今回は、銀行から直接融資を受ける「プロパー融資」について詳しく解説しました。
保証協会を挟まないため、スピーディかつ低金利で融資を受けられるというメリットがあるものの、審査が厳しく返済期間も短いという難点も存在することが分かりました。
いきなり申し込みをしても審査が通らないことも多いので、まずは銀行との関係を作ることを意識して長く検討していきましょう。