退職時に有給休暇を取得し、まとめて消化する従業員の方も多くいらっしゃいます。その場合、有給休暇消化中にも給料は発生し、毎月の支払日に通常通り支払われます。
しかし、会社の単純な計算ミスによるものや、経営状況の悪化などにより有給休暇分の給料が未払いとなってしまうこともあります。
そこで本記事では、退職時における有給休暇消化で、給料が支払われなかった場合の対処法について解説していきます。
従業員として働いている方はもちろんのこと、従業員がどのような行動を取るのか知るために経営者の方もぜひご覧ください。
Contents
退職時の有給休暇消化で給料を支払わない場合、従業員側は請求できるの?
退職時の有給休暇消化の際、故意に関わらずその分の給料を支払わない会社も事実存在します。
給料未払いとなるのはさまざまな理由があるものの、特に多いのが、退職時の有給休暇取得をそもそも認めていない会社です。
とはいえ、退職届と同時に残っている有給休暇の取得を全て求めること、退職届を提出してから退職までの間に有給休暇を取得し消化する行動は、法律的に認められた正当なことです。
また、有給休暇期間中の給料を支払う義務があり、有給休暇消化中の給料を従業員に支払わないということは、労働基準法違反となってしまいますので会社側は注意が必要です。
有給休暇分の未払い給料を請求する方法とは?
続いて、有給休暇分の未払い給料を請求する際の手順を見ていきましょう。
- 会社へ督促
- 労働基準監督署へ相談
- 内容証明郵便を送る
会社へ督促
給料日に有給休暇を取得した分の給料が支払われているかどうか、しっかり確認します。
賃金締切日をまたいで有給休暇の取得・消化した場合には、一般的に当月と翌月に支払いが分かれます。
手違いがあっただけの可能性もあるため、在職中であれば給料明細表を持参した上で給料計算を担当している部署へ直接尋ねるのが良いでしょう。
会社への問い合わせを電話で行う場合には、通話内容を録音しておくと後々のトラブルを回避できる可能性があります。
労働基準監督署へ相談
既に軽く触れましたが有給休暇分の給料が支払われていないことは、明らかな労働基準法違反となりますので、労働基準監督署の総合相談センターに相談することも可能です。
労働基準監督官に助けてもらうためには、未払い給料についての申告書を作成し、必要事項を記入の上労働基準監督官へ提出しなければなりません。
しかし、相談員へ申告すると以下のように、申告することに対して待ったをかけられるケースがあります。
- 申告するということは、経営者に対して刑事罰につながる可能性もある重大なこと
- そのため、できるだけ督促によって解決した方が良い
上記のように伝えられた場合には、それを受け入れ「労働基準監督署に相談したことを伝え、それでも支払われなかった場合には申告する」といった内容を伝えると良いでしょう。
内容証明郵便を送る
労働基準監督署に相談した後は、内容証明郵便を会社へ送ります。
内容証明の文面には
- 労働基準監督署へ行って相談してきたこと
- 給料未払いは労働基準法違反であると指摘されたこと
- 〇月〇日までに支払ってくださいなどの支払期日
- 指定期日までに支払わない場合には労働基準監督署に申告する
など、法的手段をとる旨を記入します。
まとめ:有給消化時の給料未払い…従業員が取るべき行動を把握しよう!
有給休暇消化分も、毎月の給料と同様、しっかり支払わなくてはなりません。何らかの理由により支払いを行わなければ法的手段を取られ、最悪の場合には逮捕されてしまいます。
会社側は計算ミスのないよう、勘違いや見落としがないようにしっかりと確認するようにしましょう。