2020.11.24

廃業(事業停止)する際に行う手続きと注意点について

会社を経営していると、どうしても廃業(事業停止)せざるを得ない状況になることもあります。

しかし、実際に廃業するにはどのような手続きをするのか知らない人の方が多いでしょう。

そこで今回は、廃業に関する手続きと、事業停止する際に気を付けなければいけないポイントについて解説していきます。

廃業する際は税務署に届け出る

廃業手続きは、個人事業主なのか法人なのかで変わってきます。

【個人事業主】

個人事業主が廃業する場合は営業終了日を決定後、「税務署」と「都道府県税事務所」に対して『個人事業の開業・廃業等届出書』を提出しなくてはいけません。

その他にも、青色申告を提出していた人は税務署に「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を、個人事業主として消費税を納めていた場合は「事業廃止届出書」を提出しましょう。

【法人】

株式会社が廃業する場合は、株主総会にて「特別決議」もしくは「全株主による決議」を行って廃業を決める必要があります。その後、法務局にて解散登記を行いましょう。その他にも、公告や債権者への個別催告などを行い、残余財産の確定・株主への分配、社会保険手続きなどへ進んでいきます。

廃業する際の注意点

ここからは、廃業する際に気を付けるポイントを解説します。

  • 廃業するにも費用が必要
  • 手続きが必要になる
  • 廃業することで従業員や取引先に迷惑がかかる

廃業するにも費用が必要

「事業をやめて廃業するのにお金が必要なの?」と思われるかもしれませんが、もし廃業する場合は以下のような費用が必要になっています。

解散登記30,000円
清算人登記9,000円
清算結了登記2,000円
官報公告33,000円
厚生年金や雇用保険などの廃止手続き55,000円

これだけで10万円以上必要になってきますが、これに加えて「原状回復費用」が必要になってくる場合が多いです。原状回復費用とは、今まで利用してきた事務所や店舗を入居前に戻すための費用であり、おおよそ1坪あたり50,000円が相場と言われています。

事務所や店舗が大きければ大きいほどその負担は大きくなる費用です。これらすべての費用を合わせると、経営者の70%以上の人が100万円から1000万円ほどの廃業費用を支払っていると言われています。

手続きが必要になる

最初にも記載しましたが、廃業をするには多くの手続きを行う必要があります。

個人事業主と法人とでは行う手続きに差がありますが、今まで経験したことがない人にとっては難しく感じるかもしれません。とくに法人は「解散」と「清算」の2段階手続きが必要となり、時間もかかってしまいます。

もし廃業すると早めに分かれば、弁護士などの専門家に相談するのが良いでしょう。

廃業することで従業員や取引先に迷惑がかかる

廃業するということは、そこで働いている従業員を解雇したり、取引先との取引中止など少なからず迷惑がかかってしまいます。

従業員は新しい職を探さなくてはいけませんし、取引先も違う取引相手を探さなくてはいけません。そのため、廃業が決まればできるだけ早く取引先に連絡を入れるようにしましょう。

従業員に関しては、廃業を伝えるタイミングや伝え方によってはトラブルに繋がることもありますので、弁護士などの専門家に相談した上で伝えるようにしましょう。

まとめ:廃業(事業停止)する際に行う手続きと注意点について

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • 個人事業主と法人とでは廃業手続きに違いがある
  • 廃業するには複雑な手続きだけでなく費用も必要になる
  • 廃業の際には専門家である弁護士などに相談すると良い

廃業は経営者にとってもまわりの関係者にとっても大きな影響を与えます。そのため、できるだけ事前に準備し、迅速な対応ができるようにしておきましょう。

代理人として弁護士を就任させることで、スムーズに手続きが進んでいきますのでおすすめです。

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