2020.12.8

債権者破産で納めた予納金の使途は?支払いの負担を減らす制度はないのか?

債権者が債務者の破産申立を行う場合、債権者が予納金を支払わなければならなくなります。

そこで、「一体破産手続きにおいて予納金はどのように使われるのか」という点と「債権者の負担を減らす制度などはあるのか」という点が気になりますよね。

本記事では上記2つのポイントについて迫っていきます。

なぜ破産時に予納金が必要なのか?

債権者破産に限らず、破産手続きには予納金といって裁判所に所定の金額を納めなければいけません。破産手続きは管財人の選任や、債権者への説明、債務者の財産や負債についての調査など手間と費用が必要です。

この手続きにかかる費用を賄うために、申立をした人は裁判所へ予納金を支払わなければならないのです。

予納金の使い道としては、以下のように分けられます。

  • 破産手続き自体の手数料(収入印紙)
  • 官報公告費
  • 引継予納金
  • 予納郵券

この中でも最も高額なのは引継予納金で、主に管財人の報酬として用いられます。法人破産の場合、少額管財か特定管財で破産手続きが遂行されますが、比較的費用が少な目な少額管財でも20万円の予納金が必要です。

債務額が巨額であったり、債権者が破産申立をした場合は特定管財で手続きが進められます。特定管財の場合は、負債額によって予納金が数十万円~数百万円に上ります。

予納金の支払い方法

予納金の支払い方法は、基本的に管財人が指定した口座への振り込みです。申立を行った人が振り込むか、代理人である弁護士が代わりに振り込みを行います。

振り込みのタイミングや期日は、管轄の裁判所によって異なり、正確な日程については管財人から伝えられますので、支払いを忘れないようにしましょう。

予納金の支払い

予納金は原則、破産申立をした人が支払います。

そのため、破産をするのが債務者だとしても、債権者が申立をおこなった場合は債権者が予納金を支払います。

また、破産手続き決定までの間で予納金が不足すれば、裁判所は申立者に予納金を追加請求する権利があります。債権者が破産申立をする場合は、負債額によって金額が変わる特定管財で手続きが行われ、予納金だけでも100万円からと高い水準です。

ただし、債権者の財産ですので財産を配当する際に、予納金は比較的優先度は高めで、十分な金額が換価できれば予納金は返ってくる可能性もあります。

債務者の財産がそれほどない場合は、破産管財人への報酬が優先されます。

予納金の立て替えについて

債権者破産申立を検討している方にとっては、費用面の負担を懸念される方もいるかもしれませんね。しかし、国庫仮支弁という立て替え制度があることはそれほど知られていません。

国庫仮支弁とは、申立人の状況等を考慮して申立人や利害関係人の利益保護のために認定された場合に、国庫から支弁(立て替え)が可能だという制度です。

国庫仮支弁の適用が認められた場合は申立者の予納金支払い義務は課されません。ただ、一時立て替え払い制度のため、財団債権として破産財団から返還されますが、これまで費用面がネックで破産申立をしなかった債権者にとっては、メリットの大きい制度でもあります。

債権者に資本力がある場合は、国庫仮支弁の適用は難しいかもしれませんが、過去に予納金の支払いが困難で債権者破産を断念した事例もあるので、知っておいて損はないでしょう。

まとめ:債権者破産で納めた予納金の使途は?支払いの負担を減らす制度はないのか?

債権者が破産申立をするとなれば、高額な予納金が必要ですので、お困りになる人もいるでしょう。

その場合、債務者の不誠実な対応により、債権者に経済的影響が及んで、予納金の支払いが困難な時は「国庫仮支弁」が認められる可能性もありますので、まずは破産に強い弁護士等に相談してみてください。

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