倒産が間近になった飲食店は、経営状態悪化による共通する兆候がみられることがあるようです。「これがあれば必ず倒産する」というわけではありませんが、兆候が現れれば次の段階に向けた対策を始めてもよいかもしれません。
この記事では、倒産する飲食店に多く見られる兆候と、長く生き残るお店の特徴について解説していきます。
Contents
もしかして倒産が近い?気になる4つの兆候
まずは、倒産が近い飲食店に見られる兆候として多いものを4つ紹介していきます。
不明瞭なコンセプト
お店のコンセプトが定まっていないと、リピーター獲得がしにくい傾向があります。コンセプトといっても、風変わりな料理を出して特別な内装を整えるというわけではありません。
飲食店が少ないオフィス街にはランチで入りやすいメニューを打ちだす、道路沿いに店舗を出すならお酒よりも食事をメインにする、といったお店のコンセプトをきちんと考えておくべきでしょう。
店舗の周辺や土地柄をリサーチして、個性を打ち出していかなければなりませんが、開店後も店舗周辺の環境が変わる可能性は十分あるので、定期的に調査することを忘れないようにしましょう。
集客方法が乱雑
集客したいからといって、行き当たりばったりな対策を行っては逆効果になることもあります。
たとえば、ある時から急にクーポンなどを乱発する、SNSの更新にムラがある、メルマガの更新頻度が高すぎる、など乱雑な対策をしては印象がよくないでしょう。
特にSNSは、定期的な更新とお客様とのコミュニケーションが大切ですので、毎日投稿しなくても更新タイミングを大まかに決めておくとよいでしょう。同業他社が運用するアカウントの、更新タイミングなどを調べてみてもよいかもしれませんね。
不衛生
衛生面のケアが行き届いていないお店は、敬遠するお客様も少なからずいらっしゃいます。厨房・客席・店先が雑然としていないか毎日チェックしてください。
おしぼり・お水のコップなどは油でベトついていないか、変な匂いがしないか、自分では大丈夫だと考えていてもお客様目線だと気になることも多いです。
また、目に見えない部分ではありますが、グリストラップ部分の清掃を怠っていると悪臭を放つリスクがあります。開店前・閉店後・アイドルタイムなど、お店の都合に合ったタイミングでできれば毎日掃除しましょう。
また、どこか壊れているのにそのままにしているのも不衛生に映りますので、直せるものはすぐ直し、撤去できるものは迅速に処理しましょう。
これらの項目のチェックリストを用意して、不衛生に映らないように掃除を忘れないようにしてください。
支払いが遅れる
家賃や仕入れなどの支払いが遅れてしまうと、経営状態に問題があるのかもしれない…と捉えらることもあります。もちろん、仕事の都合もあるのでたまに支払いが遅れることもあるでしょうが、その状態が続くと要注意です。
飲食店の支払いのうち、後回しにしやすいのが家賃だと言われています。そのようなギリギリの状態で、天災や社会情勢の急激な変化などが起こるリスクを考えると、危険な状態になる可能性もあります。
人員削減は悪手?
人員削減、人件費削減は経営状態が芳しくない時に用いられやすい手段ですが、安易な削減はかえって悪影響を及ぼす可能性もあります。1人あたりの負担が増大し、サービスのクオリティ低下や客離れを招きかねません。
生き残るお店には特徴があった?
一方、生き残るお店には「迅速に対応する」という特徴があります。
現在のようなコロナ禍においては、仕切りやアルコールスプレーの設置など、お客さんが安心できる工夫を採り入れることや、テイクアウトなどニーズの変化にも対応することが大事です。以前までデリバリー導入はハードルが高かったのですが、配達システムの発展でかなり取り入れやすくなりました。
もちろん、これらだけで売上が上がるとは言い切れませんが、冷静に時勢を見て適切な対策を打ち出せるのは強みになります。
まとめ:倒産間近の飲食店に現れる4つの兆候をご紹介!意外な要素も?
今回は、倒産する飲食店に多く見られる兆候について紹介しました。
・リサーチ不足によりコンセプトがはっきりしていない
・根拠のない行き当たりばったりの集客方法
・店舗が不衛生
・支払いの慢性的な遅れ
などが見られたら、閉店が近いかもしれません。
反対に日頃から情報収集を行い、ニーズの変化に迅速に対応するというお店は生き残るお店に多く見られる特徴です。経営を継続するにしても、廃業を選ぶにしても一番いい形にするためには現状把握が大事です。
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