2020.10.22

リストラで経営者がやるべきことは?一過性の効果で終わらせないために

経営者はリストラをすると決めるまでに、相当な覚悟がいることでしょう。

しかし、リストラのやり方によっては効果が一過性のもので終わってしまい、経営の立て直しには程遠くなってしまいます。では、リストラで経営者は何をすればいいのでしょうか。

ここでは、リストラをより効果的に終わらせるためのヒントを紹介していきます。

リストラ実施にあたって経営者が真っ先にやるべきこと

リストラするにあたって「経営者にしかできないこと」「経営者がするから意味があること」があります。

これは、リストラ後の社員のモチベーションや会社へのイメージに直結し、結果的には会社の立て直しにも影響する大事な事柄です。

明確な方針・戦略を打ち出す

リストラは「する」「しない」を決めて終わりではなく、どのように実行するかでリストラの効果が大きく変わります。

明確な方針や戦略のないリストラでは、人員削減によるコスト削減という一過性の効果で終わってしまい、根本的な解決になりません。

まずはリストラの方針や戦略を明確に打ち出しましょう。ここで共感を得られれば立て直しへの大きな足掛かりができます。

役員報酬をカットする

リストラは従業員の今後の生活に影響し、心にも大きな傷となる人がいます。社員にだけ辛いことを強いるのではなく、まずは会社立て直しへの思いを行動で示しましょう。

具体的には役員報酬のカットなど、わかりやすい形で示します。

リストラはいわば最終手段として用いるもののため、役員報酬のカットは当然おこなうべきものです。それも、リストラ前に社員に示すことが肝心です。

経営者の本気の態度がリストラへの理解につながり、立て直しに向かう力にもなることでしょう。

役員の責任を明らかにする

リストラに至った理由や、業績悪化の原因などをていねいに社員へ説明しましょう。

ここでごまかしたりあいまいに終わらせたりすると会社への不信感が高まり、業績立て直しへの機運も下がってしまいます。

リストラするとなっている時点で業績が悪化していることは間違いないわけですから、その責任は役員にあると社員は考えます。

ごまかそうとしても責任の所在が変わるわけではないので、きちんと説明して少しでも心象をよくすることを考えるほうが建設的でしょう。

経営者が考えるべき3つの重要ポイント

リストラの明確な方針・戦略が決まれば、具体的に形にするのは部下の仕事になるでしょう。

ただし、リストラには難しい問題が多くあり、部下に任せっきりにできないものがいくつもあります。なかでも重要なのが次に挙げる3点です。

①不当解雇にしないための対策

不当解雇はリストラを取り消したり、訴訟問題になったりと、リストラの決断を無にするどころかマイナスにしてしまいます。

残念ながら経営陣にそのつもりはなくても、担当者の不用意な発言で慰謝料を請求される可能性もあるのです。

不当解雇をしないためには役員をはじめ、すべての従業員がリストラを正しく理解し慎重に実行する必要があります。とくに人事や面談の担当者はマニュアルを作成して随時確認できるようにするだけでなく、勉強会なども開くとよいでしょう。

不当解雇が後を断たないため、リストラされる人は疑心暗鬼になっています。「うちの会社は大丈夫」と安易に考えず、きめ細かな対策を練りましょう。

②メンタルケアの備え

目に見えない形でじわじわと広がるのが、リストラによる心身への負担です。簡単に解決できる問題ではないため、負担を減らすための対策を先に打っておくことが大切です。

メンタルケアは主にリストラする従業員に対しておこなわれますが、親しんだ同僚や部下をリストラする上司や、リストラが実施されることで会社の将来性を悲観視する残留社員など、社内全体の問題に発展しています。

誰でも気軽に利用できる相談窓口を社内に設け、互いにマインドケアを気遣える雰囲気もつくりましょう。

経営者はリストラに伴う自分自身の心身の疲弊にも注意を払い、同時に社員の様子もみなければなりません。抱え込み過ぎないようにし、周囲と支え合うことを意識するとよいでしょう。

③再就職支援サービスの利用を検討する

リストラが決まると社内の空気は重いものになります。ご紹介したように、会社の対応次第では残留する社員の間でも不信感が募り、モチベーションが低下する恐れがあります。

再就職支援サービスはリストラ対象者のための施策で、1人1人の再就職先をあっせんできない会社に代わって再就職を手助けしてくれます。

会社が費用を負担することもあり、「会社が自分たちのために考えてくれている」という印象を残せます。

経営者としてできる限りの支援を考え、行動で示してみてください。

まとめ:リストラで経営者がやるべきことは?一過性の効果で終わらせないために

リストラはその経過も重要で、経営者は自らの行動で再建への本気の姿勢を示さなければ社員からの理解は得られません。

また、不当解雇の対策やリストラによるメンタルケアに積極的に動くことで信用度も増すでしょう。そして、社員一丸となれば再建への道も開いてゆくに違いありません。

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています

会社倒産手続き.comをご覧の皆様へ

会社倒産手続き.comは、倒産〜復活にかけての道標を示すメディアです。経営者が第二の挑戦をすることを前提に、「終わり方」について参考となるデータと情報を提供していき、倒産〜復活のフローに関して、様々な道筋での援助方法ご提案します。

無料相談はこちら