給料が未払いとなると、生活ができない状況に陥る従業員の方も出てくるでしょう。そのような場合には、状況により従業員側は会社へ未払い給料を請求することとなります。
では、どのような方法で未払い給料を請求するのでしょうか?
本記事では、「従業員が未払い給料を請求する方法」をテーマにお届けしていきます。給料未払いでお困りの働き手の方だけでなく、経営者側も理解しておきましょう。
給料未払いで生活ができない…その対処法とは?
給料未払いが原因で生活が困難となった場合、1日でも早く支払ってほしいと考えるでしょう。そこで、ここからは従業員側が取るべき給料未払いへの対処法を紹介していきます。
- 会社へ確認
- 会社への請求
- 労働基準監督署に相談
- 裁判所で訴訟
上記の流れで未払い給料請求を行います。
1:会社へ確認
給料が支払われていない場合、単なる支払い忘れや本人が振込日を勘違いしていたなどのうっかりミスも考えられます。そのため、まずは会社へ問い合わせて確認しましょう。
会社へ確認する際、強気に行かずに「給料が支払われていないのですが、私の勘違いでしょうか」というような内容で確認すると、穏便に確認することができます。
2:会社への請求
会社への確認でうっかりミスではなく、実際に給料未払いだと分かった場合、まずは口頭で会社に至急支払ってほしいと未払い給料の請求を行います。
もし、経営不振などの理由により支払いが行われていない場合、口頭で伝えても支払われないケースもあります。その際は、会社へ未払い給料を請求したという証拠を残すために、内容証明郵便を送りましょう。
3:労働基準監督署に相談
内容証明郵便を送っても、まだ支払われない場合には労働基準監督署へ相談します。
労働基準監督署では、相談者からの依頼があった場合、使用者に対して労働条件の遵守に関する質問や、帳簿などの書類提出を求めるといったことができます。
また、給料や残業代などが支払われていない場合には是正勧告も行います。
上記のことに応じない悪質な事案である場合、労働基準監督署が使用者を逮捕することもあるため、是正勧告の段階で支払われることがほとんどです。しかし、実際に刑事事件へと発展したケースもあります。
4:裁判所で訴訟
労働基準監督署ができるのは、給料未払いに対して是正勧告を行うことであり、強制的に支払わせることはできません。
そのため、もし是正勧告を無視するといった悪質な事案の場合、裁判所で訴訟を起こすこととなります。
未払い給料請求に関する3つのポイント
従業員側が未払い給料を請求する場合、以下のポイントに気をつける必要があります。
- 賃金債権には3年間の時効がある
- 退職してからでも請求できる
- 会社が倒産している場合には未払賃金立替払制度が適用され、未払い給料の8割が戻ってくる
退職後に未払い給料の証拠を集めるのは、困難となる場合もあるでしょう。しかし、会社には労働時間の把握義務・3年間の記録保存義務があるため、弁護士の方から会社に対して提出を求めれば対応してくれるはずです。
また、会社が倒産している場合には労働基準監督署・独立行政法人労働者健康安全機構へ申立などの手続きをする必要があります。
実際に申立を行う場合、総合労働相談コーナー・労働基準監督署・弁護士などのサポートを受けるとスムーズに進みます。
まとめ:給料未払いで生活できない場合はどう行動すればいいのか?
毎月の給料を頼りに生活している従業員の方も多くいるでしょう。もし給料が支払われないと、生活が困難になってしまい、借金をしてしまう方もいるかもしれません。
経営者には、従業員が働いた分の給料を支払う義務があります。もし支払わなければ逮捕されてしまう場合もありますので、常日頃から資金繰りをしっかり行い、給料が未払いとならないように努めましょう。