「経営が行き詰まり、従業員を解雇しなければならない状況になった…」
「倒産・事業停止する際の解雇はどのように行えばよいのだろうか…」
このような方はいらっしゃいませんか?
経営者として心苦しいものではありますが、自身が経営している会社が倒産・事業停止に陥る場合、どうしても従業員を解雇しなくてはいけません。
しかし、解雇というのはトラブルに発展しやすい事柄でもあります。
そこで今回は、倒産・事業停止する際に従業員に対してどのような解雇通知をするのか、賃金の支払いをどうするのかを解説していきます。
倒産する際の従業員に対する処遇
会社が倒産する場合、どのようにして従業員に伝えるべきなのか、どのような対応をすべきなのか問題に挙がることがあります。
従業員側としては、とつぜん会社が潰れて無職になるわけですので、非常に迷惑であり生活の基盤が揺らぎかねません。そのため、倒産による解雇というのは大きなトラブルに発展する可能性も秘めているのです。
このような観点から、会社を倒産する際には「従業員との雇用関係を適切に処理すること」を最優先に行う必要があります。
では、どのような問題を解決すべきなのかと言うと、「解雇を伝えるタイミングはいつにするのか」と、「給料や退職金などの支払いについて」です。
この2つが最もトラブルに発展しやすいため、倒産を検討しているのなら早めに答えを出しておかなくてはいけません。
解雇通知はいつ渡すべきなのか
まずは、倒産する際に「いつ従業員に解雇通知を渡すべきなのか」という問題です。
解雇通知を渡す前に、「この会社は〇〇年〇〇月〇〇日に倒産するため雇用契約を解除したい」という旨を伝えましょう。
倒産間近になり唐突に伝えるより、再就職や失業手当の準備などを進めることができます。
そして、解雇通知を渡すには営業最終日の営業が終了したその時がおすすめです。まず、何故会社が倒産してしまうのかを記載した解雇通知を渡し、解雇手続きについて丁寧に説明します。
解雇手続きの説明とは、「離職するために必要な書類」と「社保資格喪失手当」のことです。これらの手続きをスムーズに行いましょう。
賃金について
経営は上手くいくこともあれば失敗してしまうこともあり、会社が倒産するのは仕方のないことと言えます。従業員にはどうすることもできませんし、経営者も倒産したくてしたわけではありません。
それにより解雇されるのも防ぎようがないのです。しかし、働いていた分の賃金の支払いに関しては別として考えましょう。
「雇用できないのは仕方ないことだが、働いてくれた分の給料や退職金は支払わなければいけない」という心構えにしておく必要があります。なぜなら、この賃金問題が最もトラブルに発展しやすいからです。
また、解雇する場合は30日(1ヶ月)前に「解雇予告通知」を出す必要があります。
もし本通知を出さなかった場合、解雇予告をしてから解雇日までの日数を計算して「解雇予告手当」というものを払わなくてはいけなくなるからです。
倒産することで、多くの手続きが必要で時間がないかもしれませんが、このようなことをしっかりと行うことで支払額は少なくなります。
まとめ:会社が倒産・事業停止する際の解雇について
今回の記事をまとめると、以下のようになります。
- 倒産による解雇はトラブルを生みやすいので注意
- 解雇通知は最終営業日の営業終了後に渡す
- 解雇予告通知は解雇する30日前には出しておく必要がある
倒産・事業停止による解雇は仕方ないことですが、これまで働いてくれた従業員のことを第一に考えて行動しなくてはいけません。
倒産後もトラブルにならないように、できるだけ早く対応することが望まれるでしょう。