資金繰りを改善するためには、資金繰りが厳しい会社の特徴を把握し、自分の会社にも該当する特徴があれば、それを克服していかなければなりません。
本記事では、資金繰りが厳しい会社に見られる特徴のいくつかを挙げ、そういった特徴を克服していくための秘訣を解説していきます。
資金繰りが厳しい会社の特徴
資金繰りが厳しい会社には、共通する特徴が見られます。その共通する特徴のうち、主なものを以下に挙げますので、貴社に思い当たるものがないかご確認ください。
第1の特徴は、入金や出金に関する記録が大ざっぱな「どんぶり勘定」であるということです。
商品やサービスを販売して納品すると、売掛金が発生します。
資金繰りが厳しい会社の場合、「その売掛金がいつどれだけ入金する予定か」を表す入金予定日と金額や、「費用の支払いがいつどれだけ発生する予定か」を表す支払い予定日と金額が、細かく資金繰り表に記載されていません。
それによって支払予定日が入金予定日より先に来てしまい、支払金額が大きければ、資金ショートに陥る可能性が高まります。
第2の特徴は、資金ショートに陥るリスクを見込んでおらず、万が一の場合に備えて銀行からの資金調達をしていないということです。
これは「借金なんてしたくない」という意識によるものですが、長い間経営をしていると、想定外の経営悪化は起こり得るものです。
21世紀に入ってからの過去20年を振り返っても、リーマン・ショック、新型コロナウイルスの感染拡大など、想定外の出来事が起きて景気が悪化し、中小企業も大きな影響を受けてきました。
経営を続けていくのであれば、想定外の事態に備えて日頃から資金調達先から借り入れをしておくことは重要だと言えます。
資金繰りを改善して会社のキャッシュを保つには
資金繰りが厳しい会社に共通する特徴について上記で解説しましたが、その一方で多額のキャッシュを保ちながら経営を続けている会社もあります。
多額のキャッシュを保ちながら経営を続けていくには、資金繰りが厳しい会社と真逆のことをすればいいのです。
資金繰り表を活用
入金や出金に関する記録を大ざっぱにせずに、売掛金がいつ入金されるか、経費の支払いがいつになるかという予定を資金繰り表に記入していきます。
その際に、経費の支払いが売掛金の入金より前に来ていないかを確認しましょう。すべての経費の支払いを、売掛金の入金より後に持ってくるのは難しいと考えられますが、できるだけ経費の支払いを入金の後に持ってくるように調整することが重要です。
金融機関との繋がりを持つ
想定外の経営悪化に備えて、資金調達先となる金融機関とコンタクトをとり、無理しなくても返済ができる借入を申し込んでおくことも必要になってきます。
多額のキャッシュを保ちながら経営を続けている会社は、資金繰りが厳しくなるまさかの事態に備えて、金融機関からの安定した借入金を受けている傾向にあります。
会社が黒字倒産するのは資金繰りの悪化が原因
黒字倒産という言葉を耳にしますが、黒字倒産が起きるのは、資金繰り悪化によって手元資金がなくなってしまうからです。
黒字倒産を防ぐためにも、
- 売掛金の条件交渉を行って回収期日を早める
- 滞留在庫を削減する
- 効果のない経費を削減する
- リースを活用する
- 部分的な仕事は外注に任せる
といった方法で、資金繰りを改善させましょう。
まとめ:資金繰りが厳しい会社に見られる特徴について
いかがでしたか?今回紹介したように、資金繰りが厳しい会社には、共通する特徴があります。
それらの特徴を踏まえた上で、積極的に資金繰りの改善を行っていくことが重要ですので、経営者たるものポイントは押さえておきましょう。