ある日突然、受任通知がメールで送られてきたらどのように対処しますか?
経営者であれば取引先が債務者になる可能性もありますので、自分には関係ないと見過ごせるものではないでしょう。
そこで今回は、受任通知がメールで届いた際に「本物かどうかの見極めポイント」と「迷惑メール」であった場合の対処方法について解説していきます。
Contents
受任通知とは?経営者として知っておきたい債務整理の手続き
まず、受任通知についての基本的な知識を押さえておきましょう。基本的なことがわかっていれば、突然のメールにも慌てずに対処できます。
債権者に送られる受任通知
受任通知とは、債務者が弁護士などに債務整理を依頼してすぐに債権者宛てに送るもので、送付した弁護士などの専門家が債務者の代理となって、債務整理をおこなう旨を通知するものです。
受任通知を受け取れば債務者へ直接取り立てや督促をおこなうことは禁止され、代理人を通さなければなりませんが、これは一般的な金融機関や貸金業者にだけ当てはまるもので、取引先など、一般の業者であれば直接督促しても問題にはなりません。
ただし、一般の業者も金融機関にならって督促を停止するのが一般的な対応です。受任通知が届けば請求などは一旦止め、残っている債務に関しては代理の専門家に問い合わせるのがいいでしょう。
受任通知の送付方法
受任通知は、通常は内容証明郵便で送られてきます。法律事務所のなかには、受任通知が届くまでの間に債務者が督促に苦しまないように、受任通知を送ったことを電話やメールで先に知らせているところもあるようです。
受任通知がメールで届いた!本物と迷惑メールの違いとは?
受任通知は内容証明郵便で送られますが、メールで連絡してくるケースもあることがわかりました。では、本物の受任通知と迷惑メールはどこで見極めればいいのでしょうか?
本物の受任通達がメールで届くことはある?
すでに触れたように、受任通知は内容証明で送るのが一般的です。
メールで送られる可能性があるのは「受任通知を送ったので、督促は中止し、届いた受任通知を確認してください」といった意味合いがあります。つまり本物の受任通知は書面で送られるもので、メールを送って終わりということはありません。
本物のメールと偽物のメールの見極め方
多くの場合は、メールの内容から見極めることができますが、もっとも簡単で確実なのは本物の受任通知が郵送されてくるのを待つことです。
本物のメールであれば、遅くとも1週間以内には内容証明郵便で届くでしょう。
受任通知メールが迷惑メールだった場合の対処法
1週間経っても内容証明郵便が届かなければ、迷惑メールであると判断できます。
なかにはすぐに連絡するよう記載されているケースもあるでしょうが、基本的には無視するのが一番です。
間違っても電話連絡や、記載されたURLのクリックなどしないようにしてください。
本物の受任通知が届いた場合の対処法
債務者側は、受任通知の送付と同時に債権者に取引履歴の開示をおこなって債務状況の確認をします。払い過ぎている利息などを調べ、最終的に支払うべき債務額を算出し、そのうえで債務整理の方法を決定します。
どの方法で債務整理するのかによって債権者側に返済される額は大幅に変わるため、とても重要な局面ですが、債権者が口出しすることはできません。
債権者がこの間にできることは、連帯保証人への請求や裁判に持ち込むために訴訟を起こすなど、限られたものになってしまいます。債務の額によっては早めに弁護士などに相談し、少しでも多く回収できるよう手を打つのがいいでしょう。
まとめ:メールで届いた受任通知は本物?迷惑メールとの違いと対処法
受任通知を装った迷惑メールは多く、何度か受け取っていると偽物と安易に判断できるかもしれません。
しかし、反対に受任通知の知識がなければ慌てて連絡してしまう人もいるでしょう。
どちらのケースでも慌てずに本物か偽物かを冷静に判断することが大切です。そのうえで対応が必要な場合は迅速に行動する心がけが必要です。