給料未払いが原因で退職される人がいた場合に、失業保険はどうなるのか経営者の方はご存知でしょうか?
経営不振や自然災害などで給料を支払えず、それが原因で退職となってしまった場合、「どのような退職扱いになるのか」、そして「失業保険はどうなるのか」について把握しておく必要があります。
そこで今回は、「給料未払いが原因で退職される人はどのような退職扱いになるのか」「給料未払いで退職した場合に失業保険はどうなるのか」この2点を詳しく解説していきます。
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給料未払いが理由での退職はできる?できない?
給料が支払われないと、家賃や水道光熱費を支払うことや、食事するのも困難に陥る可能性が考えられます。そのため、会社を退職したいと考えるのは当然でしょう。
また、このまま今の会社で働いても大丈夫なのか?という会社に対する不信感も募ります。そのような状態の中で働くのは精神的につらく、体調を崩す恐れもあるでしょう。
そもそも、事前に定められた給料が支払期日に支払われなければ違法となります。そのため、給料未払いが原因で退職するのは何も問題ないと言えるでしょう。
給料未払いで退職・・・これって自己都合?会社都合?
退職には、「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類存在します。どちらで退職するかによってその後の待遇などが変わりますので、無視できない要素の1つです。
もちろん、会社都合で退職した方が従業員にとってメリットは多くなります。
給料未払いは会社都合退職になる
では、給料未払いで退職した場合は、会社都合になるのでしょうか?
結論からいうと、3分の1以上の給料が支払われていない場合、雇用保険の手続き上の特定受給資格者となり、会社都合退職として認められます。
その他にも以下の場合には、特定受給資格者となります。
- 機関に定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合、当該労働契約が更新されずに離職した
- 給料が当該労働者に支払われていた給料に比べて85%未満に低下したため離職した
会社都合で退職すると、失業保険の給付日数が自己都合退職より長くなります。自己都合退職の場合、失業手当の受給が決まってから7日間の待機期間があり、さらにその後3ヵ月も待たなければなりません。
一方、会社都合退職の場合は7日間の待機期間が終了するとすぐ受給でき、自己都合退職より給付期間も延びるというメリットがあります。
後日、会社都合退職に変更することもできる
何らかの理由により会社を退職する際、自己都合として退職した場合でも、とある条件を満たしていれば後日ハローワークで会社都合退職へ変更できます。
その条件は以下の通りです。
- 給料の未払い
- 給料の減額
- 残業時間が長すぎる
- 極端な業務内容の変更
- 勤務地の変更
- パワハラやセクハラ
- 休職命令
その他にもさまざまな条件がありますが、給料の未払いももちろんハローワークにて会社都合退職に変更することが可能です。
この際、有利な証拠があれば迅速に動いてくれるだけではなく、会社都合退職に判定してもらえる可能性が高まります。
まとめ:給料未払いが原因の退職について~失業保険はどうなってしまう?~
従業員への給料が未払いだと、退職理由としては問題ないことがご理解いただけたかと思います。また、未払い給料が3分の1以上あった場合には、自分から会社に退職する旨を伝えても自己都合退職とはならず、会社都合退職扱いになります。
経営不振や自然災害など、どのような理由があれ、従業員への給料を支払わないことは違反です。このような事態にならないためにも、普段から資金の流れは確認しておきましょう。