「倒産が近づいているが先々また復活したい…」
現在経営をされていて倒産が頭によぎっている場合、その後の生活はどうなっていくのか不安に感じている方もいるのではないでしょうか?破産から復活するためには、倒産に関する基礎的な知識や正しい考え方を持ち合わせていなければ、それが難しくなってしまいます。
そこで本記事では破産をテーマに、倒産後復活する上で知っておくべきことを紹介していきます。
Contents
法人破産と自己破産の手順について
法人破産する場合には、連帯保証人が経営者個人になっている場合が多く、法人破産と同時に個人の自己破産も行う場合があります。そのどちらも手続きの流れとしてはほとんど同じで、簡単な流れとしては、破産手続き申立→破産手続き開始決定(管財人選定)→財産換価処分→財産状況報告集会→配当→終結。という手順を踏むことになります。個人の自己破産の場合には、そもそも換価処分できる財産がないことも多く、その場合には同時廃止として破産終結までが早くなります。
破産手続きで余剰財産から支払うもの
破産手続きにおいて、余剰財産から支払わなければならないものとして覚えておくものは、「弁護士費用」と「予納金」になります。弁護士費用は破産申立てにおける準備や受任通知を送ってもらうなどの費用であり、予納金は裁判所に支払う費用で、納付が破産手続き開始の要件とされています。そして、裁判所から命じられた予納金を支払わない場合には、申立ては却下されます。
その他、余剰財産から支払わなければならないもので優先順位が高いものは、税金と債権(特に労働債権)になります。ちなみに、労働債権とは、未払い賃金や賞与、退職金のことで、会社が倒産した場合に弁済されるべき権利の事を言います。
破産処理と再生プランは同時に考える
法人破産処理をしている最中にはそのことしか頭になく、別のことは考えられないかもしれません。しかし、会社を畳んでしまえば、すぐにまた生活を維持していく必要があるのです。破産をする前や、破産処理の最中にでも次の働き口の目途をつけておくなど、先の未来も見越して行動するということを覚えておきましょう。
倒産において復活を視野にいれて考えること
倒産した後であってもまた復活を視野に入れている場合は、取引先と従業員には最大限の誠意を見せ、ダメージを最小限にする努力をすることです。また、新しく事業をする場合にはその取引先にお世話になるかもしれないですし、従業員の方はまた力を貸してくれることとなるかもしれません。窮地であっても従業員への支払いはしっかり行い、再就職のあっせんや公的制度を紹介するなどのサポートをしましょう。
もし、破産する場合であっても、最後まで経営者としての責任を果たすという姿勢が従業員に伝われば、大きな混乱を招くことなく手続きもスムーズに進むことでしょう。
個人破産する場合に気を付けておきたいこと
個人破産をする場合には、自由財産として手元にある程度の財産を残しておくことが可能です。先述もしましたが、破産をしたとしても生活は続いていくことになりますので、そのための準備や考えを持っておく必要があるのです。再スタートのためにも、洗いざらい出してしまわずに、最低限の生活が確保できるようにしましょう。
まとめ:破産から復活する上で知っておくべきこと
いかがでしたか?今回の内容をまとめると、
- 税金と労働債権は支払いの優先順位が高い
- 破産手続きを行う前や最中にその後の生活のことも考えて行動する
- 倒産する場合であっても取引先や従業員に最後まで誠意を見せること
- 個人破産においては全てを投げ出さずに最低限の生活が確保できるようにする
ということがポイントでした。破産から復活するためには、正しい知識と経営者としての意識を持って誠意ある対応が求められます。倒産が近づいた場合であっても気持ちを強く持ち、弁護士などの専門家に相談しながら手続きを進めていきましょう。
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