「役員貸付金を利用したいがデメリットについて知らない…」
「役員貸付金は融資が受けにくくなると聞いたがその理由について知りたい…」
このような方はいらっしゃいませんか?役員貸付を行う理由にはさまざまな背景があるとは思いますが、そのデメリットを把握した上でないと正しい判断ができないですよね?
そこで今回は役員貸付金をテーマに、その概要やデメリットについて解説していきます。
役員貸付を検討されている方は、まずはこの記事を読んで知識を蓄えましょう。
Contents
役員貸付金とは?
役員貸付金とは文字通り、会社が経営者や役員に貸し付けているお金のことを指します。
役員貸付金が増えると融資やリスケが難しくなる
役員貸付金が増えると大きなデメリットが生じます。それは銀行などの金融機関からの印象を大きく下げてしまい、融資や返済スケジュールの変更(リスケ)が難しくなってしまうという点です。
役員貸付金が増えると融資などが困難になる理由について
金融機関側から考えると銀行が会社に融資をして、さらに会社が役員にお金を貸すという図式になり、銀行の貸すお金が最終的に役員に渡るため「融資本来の意味」がわからなくなってしまいます。
役員貸付金がどんどん増えるようであれば、資金流出が止まらないということで銀行の目線も厳しくなり、返済スケジュールの延長が断れてしまうことも考えられるのです。
金融機関が融資の際に重要視するものとは?
金融機関が融資の際に重要視するものは、資金使途と返済能力の有無になります。先ほど役員貸付があると、融資本来の意味がわからなくなると説明しましたが、これは資金使途の面で疑問を持たれてしまうことを意味します。そのため、返済スケジュールの変更や融資を受けるためには役員貸付金を減らしたり、消したりといったことが必要になるわけです。
役員貸付金のデメリット
役員貸付金のデメリットとしては、これまでに説明した融資やリスケの際に不利になるという点以外にも、「利息の計上が求められる」「資金繰りの悪化」が挙げられます。
利息の計上が求められる…役員貸付金は税法に準拠した利息(認定利息)を計上しなければならず、課税対象となります。
資金繰りの悪化…会社の資金を役員に渡すことにより、返済まで会社の資金が減りますので、資金繰り悪化原因のひとつになります。
役員貸付金はどのような状況で増えてしまう?
役員貸付金が増えてしまう理由には、
- 私生活の出費を補うため
- 役員報酬の代わりとして
以上が挙げられます。
私生活の出費を補うため…何らかの病気を抱えていればその治療費が高額になってしまったり、慰謝料や損害賠償金がある場合など、私生活の出費を補うために役員貸付金が発生することが考えられます。
役員報酬の代わりとして…創業間もない企業や売り上げ予測が難しい状況下では、役員報酬を低くし、その代わりに役員貸付を行うことがあります。
役員貸付金の清算方法
では、役員貸付金はどのように清算すればよいのでしょうか?役員貸付金の清算方法として一番に考えられるのが、役員報酬から返済するという方法です。もちろんそれによって役員報酬の手取りが減ってしまいますし、役員報酬を増額すれば個人の税負担は増えてしまいます。
もう一つの役員貸付金の清算方法は個人資産の売却で、これは単純に個人で所有している不動産や自動車などを売却するという方法です。不動産を売却した場合には登記移転が必要であったり、譲渡所得税が課税される点に留意しましょう。
まとめ:役員貸付金が増えると融資やリスケが難しくなる?
いかがでしたか?今回の内容をまとめると、
- 役員貸付金によって融資やリスケは厳しくなる
- 役員貸付金にはデメリットが多い
- 役員貸付金を清算する方法としては役員報酬や個人資産売却によって行う
ということでした。基本的に役員貸付金は返済しなければならないものですので、役員貸付を行う場合にはそれをしっかり理解した上で実行しましょう。
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