会社再建が望める倒産手続について～なぜ倒産で再建が目指せる？～

倒産というと、事業を畳んで会社は消滅する…というイメージがあるかもしれません。たしかに、倒産の種類によっては会社（法人）が無くなってしまいますが、「再建型」の倒産手続きも存在します。

この記事では、再建型の倒産手続きをテーマに、そのメリットや詳しい種類について紹介していきます。

倒産は再建型と清算型に分かれる

倒産は、世間一般的にイメージされる法人破産の他にも色々な種類が存在しており、倒産後も会社を存続させられるタイプのものを「再建型」と呼びます。そして、法人破産のように手続きが終われば会社も無くなるのが、「清算型」になります。

なぜ倒産なのに再建が目指せるのか？

一体なぜ会社が倒産するのに会社が存続できるのか不思議に思いませんか？それは、清算型と再建型で手続きの方法が異なることが関係しています。

清算型

清算型の倒産は会社に残った財産を換価処分し、債権者への配当が終われば手続きが完了します。会社の財産は全て整理されているため法人も消滅します。

再建型

再建型は、再建計画を作成し債権者と交渉の手続きを行います。再建計画には、希望する免除額と免除した後の返済期間と方法などが記載されており、債権者がこの内容に同意すれば、再建計画の通りに支払いを行います。

会社側は支払いが減額されるのでその分負担が軽減され、資金繰りを改善し再建を目指すという流れです。

どちらも債務を整理するのには変わりませんが、

• 清算型は会社の財産を処分して債務返済にあてる
• 再建型は返済可能範囲まで金額を整理する

というような違いがあるということです。

再建型整理のメリット

再建型の債務整理を行うメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

借金が減額できる

先ほど軽く触れたとおり、再建計画に同意してもらう必要はありますが、多額の負債をカットできます。返済のために使っていたお金を事業に回せるようになるので、会社の業績改善も期待できます。

事業が残せる

最大のメリットともいえるのが、「会社と事業を残せる」という点でしょう。事業を存続できれば従業員の雇用も守れますし、取引先との関係も継続させることができます。

会社の財産を残すことができる

再建型債務整理は、清算型とは異なり会社の財産をすべて処分する必要はありません。財産とは、物件や不動産、車両といった分かりやすいものから掛金、保険、従業員などがそれにあたります。

再出発で0からまた同じものを手にするまでには時間が必要なこともありますが、再建型の債務整理ですと、以前と近しい形で再建を目指すことができます。

再建型債務整理の種類

再建型の債務整理と一口に言っても複数の種類がありますので、見ていきましょう。

私的整理

私的整理とは、債務者（会社）と債権者（金融機関等）が交渉して減額や、免除の範囲などを決める方法です。裁判所を間に挟まず、当事者同士で行うので「私的整理」あるいは「任意整理」と呼ばれています。

会社更生

会社更生は、裁判者に申立を行う手続きで株式会社のみが利用できます。裁判所が定めた更生管財人と共に更生計画を作成し、債権者など利害関係がある人の同意を得て債務をカットします。

会社更生を行うと既存の株式は無価値になりますので、新しく株主になるスポンサー企業や投資家を見つけるのが先決です。

民事再生

民事再生手続きも、裁判所へ申立を行い再生計画を作成するもので、裁判所が実施する債権者集会にて賛否を決める、という方法です。会社更生とは異なり、株式会社以外の法人格でも利用できます。

まとめ：会社再建が望める倒産手続について～なぜ倒産で再建が目指せる？～

今回は、会社を存続しながら行える再建型の債務整理について紹介しました。再建型は、借金をすべて免責するのではなく減額するタイプの債務整理であり、従業員の雇用を守れるなどのメリットを持つことがお分かりになったでしょう。
法人格の種類によって、利用できる制度に違いがありますので、自身の会社にあてはまるものをお選びください。

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